一度は落ち着いたかに見えたバイク人気が、ここ数年で再び高まりを見せています。
SNSやYouTubeを中心に“バイクのある生活”が注目され、免許取得者も増加中。
なぜ今、再びバイクブームが訪れているのでしょうか?
その背景と、現代ならではのバイクカルチャーの変化を解説します。
コロナ禍をきっかけに広がった「ソロ志向」
現在のブームの火付け役となったのが、コロナ禍によるライフスタイルの変化です。
密を避けながら楽しめる趣味として、「一人で楽しめるバイク」が注目されました。
ツーリングやキャンプなど、他人との接触を避けつつ開放感を味わえるアクティビティが増えたことが大きな要因です。
SNS・YouTubeが生んだ「バイクの新しい見せ方」
近年のブームを語るうえで欠かせないのが、SNSと動画コンテンツの影響力です。
InstagramやTikTokでは「#バイク女子」「#ツーリング日記」などのタグが人気。
YouTubeでは、ライダーの日常やカスタム紹介、ツーリング動画が次々とバズっています。
こうした「視覚的な共有」が、これまでバイクに縁のなかった層を引き込みました。
とくに若年層や女性ライダーの参入が増え、かつての“男の趣味”というイメージを変えています。
リターンライダーの増加も後押し
ブームのもう一つの柱は、**リターンライダー(再び乗り始める中高年層)**の存在です。
かつてバイクに夢中だった世代が、子育てや仕事が落ち着いたタイミングで再びハンドルを握っています。
新型車の安全性能や快適装備の進化もあり、「もう一度乗ってみたい」という気持ちを後押ししています。
バイク文化の多様化
現代のバイクブームは、90年代のような“速さや改造”中心ではなく、ライフスタイル型のブームへと変化しています。
ツーリング、キャンプ、写真、カフェ巡りなど、「バイクを通じてどう過ごすか」が重視される時代です。
また、電動バイクや原付二種の普及により、手軽に楽しめる“ライト層”の拡大も顕著です。
バイク業界の取り組み
メーカー各社もこの流れを受け、デザイン性や手軽さを重視したモデルを次々投入しています。
- Honda「Rebel」シリーズ
- YAMAHA「XSR」シリーズ
- Kawasaki「Z125 PRO」や「Ninja250」など
デザインはクラシックに、走りは現代的に──
そんな“おしゃれで扱いやすい”中型モデルがブームを支えています。
また、バイクイベントやライダーズカフェの復活、女性向けギアの充実など、業界全体が若い世代の参加を歓迎する空気に変わっています。
令和バイクブームの人気モデルTOP10
令和のバイクブームを象徴するのは、“おしゃれで扱いやすい”中排気量モデル。
クラシックデザインと現代性能を両立した車種が人気を集めています。
- Honda Rebel 250
- YAMAHA XSR155
- Kawasaki Z400
- Honda GB350
- SUZUKI GSX250R
- YAMAHA MT-25
- Honda CT125・ハンターカブ
- YAMAHA Tracer 9 GT
- Kawasaki Ninja ZX-4R
- Honda ADV160
共通点は「見た目・乗りやすさ・個性のバランス」。
初心者でも乗りやすく、写真映えするデザインが今の時代の主流です。
バイク女子・若者ライダーが急増!?
近年のバイクブームでは、20代・30代の女性ライダーが急増しています。
Instagramでは「#バイク女子」「#ソロツー女子」などのタグが人気を集め、
見た目もファッションの一部として楽しむ“ライフスタイル型ライダー”が増加中。
また、若年層では通勤・通学目的で125ccや原付二種を選ぶ傾向も強く、「維持費が安く、写真や動画も映える」という現実的な選び方がされています。
90年代のバイクブームとの違い
90年代のバイクブームは、“スピードと改造”が主流の走り志向の時代でした。
一方、令和のブームは「自由・癒し・共有」がキーワード
仲間と競うより、自分のペースで景色を楽しむスタイルへと変化しています。
当時はサーキットや峠が主戦場でしたが、今はSNSとカフェが集いの場。
バイクは“速さの象徴”から、“自分らしさを表現する道具”へと進化しました。
まとめ
自由と共感が生む、新時代のバイクブーム
現在のバイクブームは、「自由に走りたい」という気持ちに加え、「共感して共有したい」という文化が加わったものです。
SNSでつながり、動画で感動を共有し、同じ景色を別々の場所から楽しむ──
それが、令和のバイクブームを作り出している原動力です。
バイクは単なる移動手段ではなく、“生き方を映すツール”として再び注目を集めています。